『老後とピアノ』クスクスが止まらない!



ようやく私の番が回ってきた。
ネットで予約をしてから、2か月以上経ったかな?
「準備ができました」メールを受け取って、いそいそ図書館に出かけた。
早く読みたい!そんな気持ちにさせてくれる本は久しぶり。
と言いながら、購入ではなく図書館で借りることを選んだのには理由がある。
だいたい、よほど気に入った本以外は、繰り返し読むことはあまりない。
特に、エッセイ系の本は1度読んでおしまいである。
なのでこの『老後とピアノ』も気長に番が来るまで待とうと思ったのだ。
著者の稲垣えみ子さんの本は、お料理本『もうレシピ本はいらない : 人生を救う最強の食卓』を読んだことがある。
新聞社を50歳で退職した彼女が一人気ままに昔ながらの質素な食生活を満喫している本だったと記憶している。
退職前は仕事柄、高級なお店でおいしい料理などを食べる機会がいっぱいあって、その反動?でシンプル家庭料理に立ち返る、みたいな。
彼女の文章がとてもおもしろいことはこの本で知っていたので、今回の『老後とピアノ』はと~っても楽しみだった。

で、今、何もかも放って半分読んだ。
もうね、クスクス笑いが止まらないのよ。
クスクスじゃあ済まないところもいっぱいある。
『彼女の文章が面白い』プラス『これ、私のことじゃね?』的な。
もう、ピアノ再開初心者あるあるが満載なんだもん。
すっごく、いろんなことが似ていてびっくり。
・子供の頃オルガンで練習していたこと
・小学校の間だけピアノをやっていたこと
・子供の頃の先生が厳しかったこと
・それまで全く弾いておらず、40年ぶりにピアノを再開したこと(私は45年ぶり)
・グレン・グールドのピアノにノックダウンされたこと
・聴く曲がクラッシックオンリーになってしまったこと
年も近いし(彼女は3歳下)、出身地(愛知)も同じ。
この本、私の本?みたいな錯覚が。笑

でも、ひとつ、違うことがあった。
彼女は月に1度のレッスンまでにめちゃくちゃ練習して、これが精いっぱい!って状態で先生の所に行くってこと。
でも先生の前では普段の力は出し切れず(あるあるだよね・笑)、ボロボロになって「家ではもっと弾けるのに~!」って悔しがる。
私はいつも練習不足のままだから、弾けないのが当たり前になっちゃってる。
そうだな、悔しいくらいに練習するべきだなって反省した。
もっと、熱量を上げてピアノに向かわないと、この先、何曲弾けるようになるか…。

そうなのよ。
私は最初、この本のタイトルに少し疑問だった。
彼女はこんなにセンスのある文章を書く人なのに、『老後とピアノ』って直球過ぎて何のひねりもないじゃない。
もっと、キャッチーなタイトルがあろうに!って。
でも、読み進めていくうちに、しみじみしてきたんだよね。
人生後半戦に足を突っ込んで、さて、前半と同じだけ生きられるのかは誰にもわからないじゃん。
元気にピアノを練習できる日々がこの先どれだけあるのか?
元気に練習できたって、めちゃくちゃ弾けるようになるかと言ったら、どんどん衰えていくばかりのこの体だよ、期待はできないよね。
そして、ある程度弾けるようになっても、弾いた先から忘れていくわけだから、むなしいことこの上ない。
と考えたら、『老後とピアノ』まさしくピタリとくるタイトルだと言えるわね。

さて、あと半分、きっと、今日布団の中で、読み切ってしまうと思うよ。
買って蔵書に加えてもいいなあと思ったり。







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