社員食堂で涙をこらえた件。



NHKの朝ドラ『らんまん』が終わった。

sobako家では録画しておいてその日の晩にゆっくり見ていた。
ドラマ自体はとても楽しみにしていたのだが、主人公・万太郎の生き様はとても不評で、うちでは奥さんの寿恵子さんへの同情票が満点だった。
万太郎のことを「ヒモ太郎」と呼び、ダメ出しし放題。笑
大きな事を成す人は往々にして周りが大変な思いをすることが多いような気がする。
良くも悪くも非凡なのだ。
それでも、本人の真剣に向き合う姿が人の心を打ち、あの人の為ならばと奉仕の精神が湧き起こるのかも知れない。

今日のランチタイムに読んだ本もまた偶然に、「ヒモ」の話だった。
原田マハさんの短編集『あなたは誰かの大切な人』の1話目『最後の伝言-Save the Last Dance for Me-』、主人公の母親の葬儀から話が始まる。
その母親の職業は美容師で夫はハンサムな無職男「ヒモ太郎」。
万太郎と違って、こちらは数年前に家出したきり、妻の葬儀の連絡にも音沙汰がないという、とんでもない髪結いの亭主なのだ。
しかし、病気を患った母親は信頼のおける葬儀会社の女性に、こっそり、夫への最期の伝言を託していた.....。
母の葬儀という大変な悲しみの中にも、周りの人々の中に残る、どうしようもない父としっかり者の母の思い出話に、ほっこりとした温かみと笑いが入り混じる。
そして、ラストは一人の女性の、夫に対する一途な想いに涙してしまう。
ぜひ、読んでみてほしいが、一人部屋で読むことをお勧めする。
私は社員食堂でランチタイムに読んで、思う存分泣けなかったから。

私は原田マハさんの小説はいくつか読んだことがあって、結構好きな作家さんなのだけど、この本はYouTubeの朗読で初めて知った。
しかも、朗読されていたのは、同じく収録されている『無用の人』。
とても良さげな話だったので、自分で読もうと、朗読は最後まで聞くのをやめてAmazonで本を探したのだった。
こちらもとても楽しみ。

 

 

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