音で感情を伝えるということ。



いつだったか、最後まで楽譜通りに弾けるようになった後、表現力の練習だ、みたいなことを書いたことがあったけれど、それは少し違っていたようだ。

 

先日、NHKの奇跡のレッスン「楽譜が物語に変わるとき弦楽器(前編)ダニエル・ゲーデ」という番組を見た。

元ウィーンフィルハーモニーのコンサートマスターだったダニエル・ゲーデさんという人が小学生の弦楽部に教えるという企画。

その弦楽部の部員は入部して初めて弦楽器に触れるという子供たちがほとんどなのだけれど、コンクールで金賞を取っている実力のある部。

それなので、ダニエルさんが教える前もとても上手だったのだけれど、教えてもらったあとは、もっと豊かな音色になって、全く違っていた。

 

ダニエルさんは子供たちに、気持ちを表現することが演奏する意味であると言い、音階に音色をつける練習(楽しく弾く、悲しく弾くなど)をさせた。

ビブラートの掛け方も、技術的に弾く方法ではなく、気持ちを乗せると自然とそういう弾き方になるのだよと教えていた。

曲の物語を理解して、どんな感情を表現するのかを考えて弾く練習。

子供たちの演奏は、はにかみながらも、だんだんのびのびした演奏になってくる。

 

ダニエルさんの「楽器を完璧に演奏できるようになることはない。技術が完成してから表現の練習をするのでは時間が足らない。感情表現(の練習)はどんなレベルでもできるものだ」という言葉に、ハッとした。

 

そうか!感情表現の練習はどんなレベルでもやって良いのだね。

 

子供の頃、ピアノの先生に「もっと歌うように弾いて」とよく言われたけれど、さっぱり意味がわからなかったことを思い出した。

こういうことを言っていたのだね、先生は。

私が大人になったから、それを理解できるようになったのか?それとも、教える先生の力量なのか?はわからない。

 

今、ピアノを再開して、音符を追うばかりで必死だったけれど、ダニエルさんの話を聞いていたら、もっと自由にピアノを弾きたいと思った。

 

 

奇跡のレッスン「楽譜が物語に変わるとき弦楽器(後編)ダニエル・ゲーデ」は1月30日(木)午後10時からNHK Eテレにて放送予定。

 

 

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