2023/04/08

『シンドラーのリスト』と『イギリス組曲』



初めて見た。
ナチスドイツのユダヤ人に対する行為は、とても人間のすることではなく、恐ろしすぎるのだけど、時代を少し遡れば、日本人も同じようなことをしていたことがあって、結局、置かれた状況で人は鬼になってしまうのか、と悲しくなった。

この映画の中で、ドイツ兵がピアノを弾くシーンがある。
家の中のあちこちに(それこそピアノの中にも!)隠れているユダヤ人をドイツ兵が探し回り、見つけ次第銃殺するというとても怖い状況の中で流れるバッハ。
仲間がテンポよく弾いているのを聞いて、ふたりのドイツ兵が「バッハ?」「いや、モーツァルトだろ」とか笑顔で会話している。
おいおい、バッハとモーツァルトじゃあ、全く違うだろ〜とツッコミたくなった。
それにしても上手いピアノで、なんて曲だろうと検索してみたら、イギリス組曲2番プレリュードだった。
ネットは便利ね、何でもすぐに答えが出る。
ついでに、いろいろな人がこのシーンの感想をあげていたので読んでみた。
「バッハ」と「モーツァルト」の区別がつかないというのは「まあクラッシック音楽に興味のない人にはわからなくて当然だよね」だとか、「“バカなドイツ兵”だと揶揄しているのだ」とか、その理由も、「監督のスピルバーグがユダヤ系だからだ」というものなど色々あって、中でも私が一番そういうことかって思ったのは、「バッハとモーツァルトの区別がつかなくなってしまうほどの極限状態であることを現している」というもの。
常識的なことの判断もつかない異様な心理状態でなければ、あんな殺戮などできままい。
そういえば、この二人は笑顔だった。

バッハが好きだと公言しながら、イギリス組曲はあまり聴いていなくて、これを機に聴いてみたら(もちろんグールドね)なかなか良いね。
フランス組曲より、ん〜なんか、真面目っぽいというか、律儀な感じっていうか、そんなイメージ。
わけわからない感想で申し訳ない。
ただのおばさんの何の根拠もないイメージなので、スルーしてちょうだい。
でも、あの殺戮のシーンに、軽快で正確に刻まれるテンポが妙にマッチしていた気がして、うーんと唸ってしまった。

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© Doremifa・bach
Maira Gall